重機の価格はいくら?新車・中古の相場と価格差を解説!

重機の購入や売却を検討する際、「いくらぐらいが相場なのか?」「新車と中古でどのくらい価格差があるのか?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
重機は高額な資産であり、価格の目安を知らないまま取引すると思わぬ損失につながるリスクもあります。
本記事では、重機の価格について新車と中古、メーカーごとの傾向、そして価格に影響する具体的な要素まで、全体像をわかりやすく解説します。
これから重機の購入・売却を考えている方はもちろん、「とりあえず相場を知っておきたい」という方もぜひ参考にしてください。
重機価格の基礎知識|新車・中古の価格帯
重機の価格を理解する第一歩は、「新車」と「中古」でどれだけ価格が異なるのかを把握することです。特に、中古重機は状態や年式によって価格差が大きくなるため、慎重な見極めが必要です。
ここでは、主要な重機の新車・中古価格の相場を紹介し、それぞれのメリット・デメリットについても整理していきます。
重機新車価格の相場と特徴
重機の新車価格は、車種やメーカーによって大きく異なります。たとえば、小型のミニユンボであれば新車価格は200〜400万円程度、中型の油圧ショベルなら700〜1,200万円程度、大型クレーン車では数千万円規模にもなります。
新車のメリットは、最新の安全技術や燃費性能を備えており、長期間にわたって安定稼働が期待できる点です。また、メーカー保証が付いていることから、トラブル発生時にも安心して対応できます。
ただし、導入コストは高く、償却や資金計画をしっかり立てる必要があります。
中古重機の価格帯とお得な選び方
中古の重機は、新車に比べて半額〜3分の1程度の価格で取引されることが一般的です。たとえば、同じミニユンボでも、年式や稼働時間によっては100万円以下で見つかる場合もあります。
一方で、中古重機は状態の見極めが難しく、整備状況によっては価格も大きく変わります。
中古重機を購入する際は、「稼働時間」「整備履歴」「エンジンの状態」「外観の劣化具合」などを総合的にチェックしましょう。売却する場合も同様に、これらの要素がどれだけ良好であるかが価格を左右します。
いずれにせよ、信頼できる業者と取引することで、トラブルを未然に防げます。
メーカー別で見る重機の価格差|コマツ・日立・クボタ・キャタピラー比較
重機の価格を検討するうえで、忘れてはならないのが「メーカーによる価格差」です。
たとえ同じサイズ・スペックであっても、ブランドによって価格帯は大きく異なります。また、メーカーごとの耐久性や故障率、中古市場での流通性なども価格に影響を与える要因です。
このセクションでは、国内外で人気のあるコマツ、日立建機、クボタ、キャタピラー(CAT)の4社を中心に、それぞれの価格傾向や特徴を比較し、選定時に知っておくべきポイントを整理します。
メーカー | 新車価格帯 | リセールバリュー | 得意な車種 | 海外需要 |
---|---|---|---|---|
コマツ | 中〜高 | 非常に高い | 油圧ショベル全般 | 高い |
日立建機 | 中〜高 | 高い | ZXシリーズ | 高い |
クボタ | やや低価格 | 良好 | 小型・農業向け | 中程度 |
CAT | 高価格 | 非常に高い | 大型重機 | 非常に高い |
コマツ・日立・クボタ・キャタピラーの価格比較
まず、日本国内で特に流通量が多く、高い信頼を得ているのがコマツと日立建機です。コマツのミニユンボ「PC30」は中古でも人気が高く、年式が新しければ300万円を超えることもあります。日立の「ZXシリーズ」も同様に安定した価格帯を維持しており、リセールバリューが高いのが特徴です。
一方、農業分野でも広く使われているクボタは小型重機の分野で需要があり、比較的コンパクトで扱いやすいモデルが揃っています。価格帯はコマツよりやや抑えめな傾向がありますが、保守部品の供給体制がしっかりしており、コストパフォーマンスに優れています。
キャタピラー(CAT)はアメリカの世界的メーカーで、特に大型建機の分野で高い評価を得ています。堅牢性と馬力の高さから、海外輸出市場では非常に人気が高く、日本国内よりも海外バイヤーからの需要で価格が形成される傾向があります。
このように、メーカーによって価格の初期設定だけでなく、中古市場での評価や再販価格にも違いがあるため、用途や将来的な売却も見据えて選ぶことが重要です。
海外需要の高いメーカーと価格傾向
近年、中古重機は海外輸出の需要が急増しています。特にアジア、中東、アフリカ諸国では、日本製の中古重機が「丈夫で壊れにくい」「メンテナンスしやすい」と評価されており、一定の年式・モデルであれば国内より高く売れるケースもあります。
中でもコマツ、日立建機、CATは海外バイヤーからの人気が高く、特定のモデルに関しては「海外輸出価格相場」が国内より1.2〜1.5倍になることも少なくありません。反対に、知名度や部品供給の面で海外での流通が難しいメーカーは、国内市場中心となり価格が抑えられる傾向にあります。
そのため、重機を売却する際には「どの販路を狙うか」も価格に直結する判断材料となります。特に古い機体や稼働時間が多い機体であっても、海外輸出ルートであれば高値が付く可能性があります。
重機価格を左右する要因とは?売却査定時のポイント6つ
重機の価格は、単純なスペック差や「新車か中古か」だけで決まるものではありません。同じ車種・同じ年式であっても、数十万〜数百万円単位で価格が変動することは珍しくありません。
ここでは、査定価格を大きく左右する「6つの具体的な要因」を分かりやすく解説します。
- 年式・稼働時間・整備履歴の影響
- アタッチメント・仕様オプションの有無
- 買取市場の需要と供給バランス
- メーカー・ブランドの影響
- 車両の状態(動作・外観・故障の有無)
- 国内再販か海外輸出かによる価格変動
ポイントを理解しておくことで、売却査定で高値に近づける可能性が生まれます。
①年式・稼働時間・整備履歴の影響
重機の価値に直結するのが「年式」と「稼働時間」です。一般的には、年式が新しく、稼働時間が少ないほど価格が高く評価されます。
たとえば、5年落ち・稼働2,000時間以内の機体であれば高額査定が見込める一方、10年以上前で5,000時間を超えてくると価格は大きく下がります。
しかし、「整備履歴」がしっかり残っている重機は、たとえ年式が古くても高く評価されることがあります。点検記録簿やオイル交換履歴、修理・部品交換の記録などが残っていると、メンテナンスが行き届いている証拠となり、買い手に安心感を与えるためです。
②アタッチメント・仕様オプションの有無
価格差を生む大きな要因の一つが「付属装備や仕様」です。同じモデルでも、キャビン付きかオープンタイプか、油圧ショベルにブレーカーやフォークが付属しているかどうかで、数十万〜100万円単位の価格差が出ることもあります。
特に需要の高いアタッチメントが装着されている機体は、買い手がすぐに使用できるメリットがあるため、高評価につながります。また、空調付きキャビンや電子制御機能、エコモード搭載などの上位グレード機も、新車時の価格が高いため中古でも価値が残りやすい傾向です。
③買取市場の需要と供給バランス
重機価格は市場の「需要と供給」の影響を大きく受けます。たとえば、公共工事が増加する繁忙期には、小型のバックホーや油圧ショベルの需要が高まり、価格も上昇する傾向にあります。
逆に、特定のモデルが中古市場に大量に出回ると、供給過多で価格が下がることもあります。
また、台風や地震などの自然災害が発生した後には、復旧工事で重機の需要が一気に高まるため、価格が短期間で上昇するケースも見られます。このように、売却のタイミングによって価格に大きな違いが出るため、業界の動向や工事需要の時期を把握することが大切です。
④メーカー・ブランドの影響
先述の通り、重機の価格は「どのメーカーか」によっても明確な差があります。コマツや日立建機、クボタ、キャタピラー(CAT)などの有名ブランドは、中古市場でも高い信頼を得ており、リセールバリューが非常に高い傾向にあります。
これは単なるブランドイメージではなく、部品供給体制の整備、故障時のサポート対応、世界的な需要の高さといった“再販しやすさ”が背景にあるためです。反対に、マイナーなメーカーやサポート体制が弱いブランドは、購入後の不安材料が多く、査定価格は下がりやすくなります。
⑤車両の状態(動作・外観・故障の有無)
動作確認が取れ、故障のない重機は当然ながら高評価を得ます。エンジンのかかり具合、アームの動き、油漏れの有無など、細かな動作確認が査定に直結します。
また、外装の状態も重要なポイントです。サビやヘコミ、塗装の劣化などが少ないほど買い手に与える印象が良くなり、価格が上がる傾向にあります。
高圧洗浄や簡単な整備を施しておくと、数万円以上査定額が上がることもあるため、こうした「査定前のひと手間」もぜひ実践してみましょう。
⑥国内再販か海外輸出かによる価格変動
重機の売却価格は、「どこで再販されるか」によっても大きく変わります。日本国内で再販される場合、年式や使用時間の少なさ、排ガス規制の対応状況などが重視される一方、海外では「動くこと」「壊れても修理しやすいこと」が優先されるため、年式が古くても高値が付くことがあります。
たとえば、東南アジアやアフリカでは日本製中古重機への需要が根強く、特にコマツやCAT製は壊れにくく整備性が高いと評価され、10年以上経過した重機でも価値が付きやすい状況です。
また、2025年現在、円安傾向が続いている影響で海外輸出業者が積極的に中古重機を買い取る傾向があります。業者選びの段階で、海外対応の有無をチェックしてみましょう。
重機価格を見積もり・相場調査の方法
重機を購入・売却する前に、相場を把握することは非常に重要です。しかし、個別の状況で大きく変動するため、インターネットで検索するだけでは十分な情報を得られません。
このセクションでは、重機価格を正確に調べる3つの方法を紹介します。それぞれの特徴や活用のコツを理解することで、相場感のズレによる損失を防ぎ、賢い判断ができるようになりましょう。
①販売サイトでの価格チェック
最も手軽に重機の価格を調べられるのが、インターネット上の販売サイトです。代表的な中古重機販売サイトには「BIGLEMON」「重機ボックス」「マスカス・ジャパン」などがあり、車種や年式、稼働時間などで絞り込み検索が可能です。
掲載されている価格は実際の「販売希望価格」であり、必ずしも成約価格とは一致しませんが、おおよその相場感を掴むには有効です。また、同じ車種でも価格が上下している理由(アタッチメント有無・キャビン仕様など)も確認できるため、状態と価格の関係を学ぶのにも役立ちます。
②買取業者の無料査定サービスを活用
正確な価格を知りたい場合は、買取業者が提供している「無料査定サービス」の利用がおすすめです。メーカー・型番・年式・稼働時間などを伝えれば、正確な買取価格がわかります。
業者によっては実機確認が必要な場合もありますが、出張査定は無料であることが一般的です。相見積もりを取れば、最も高く売れる業者を見つけられ、売却時の交渉材料にもなります。
③オークション・業者間取引の相場を参考にする
業者向けの重機オークションや、専門商社による業者間取引情報をチェックすることで、リアルな「成約価格」に近い情報を得られます。
たとえば「JEN」などのオークションサイトでは、出品機体の情報と成約価格が共有される場合もあります。
これらの情報をもとにすれば、市場の需給バランスに即した価格判断が可能になります。ただし一般には公開されていない場合も多いため、信頼できる業者や査定サイトを通じて情報を得るのが現実的です。
まとめ|重機価格を理解すれば、損しない売買ができる
重機の価格は、年式・使用状況・仕様・メーカー・販路など、複数の要因によって大きく左右されます。同じ型式でも数十万円〜数百万円の差が出ることもあるため、「自分の持つ重機がどれくらいの価値があるのか」を正確に知ることが、損しない売買の第一歩です。
特に、中古市場や海外輸出の需要、為替動向といった“外部要因”も価格形成に影響することを理解しておけば、売却・購入のタイミングを見極める判断力も高まります。
売却時は、本記事で紹介した相場確認の方法や価格を左右するチェックポイントを参考に、まずは専門業者の査定を受けてみましょう。「思ったより高く売れる」こともあれば、「手放すタイミングを再検討すべき」と気づける場合もあります。
正しい情報とタイミングを味方に、納得のいく重機取引を実現しましょう。
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